郷土と天文の博物館ブログ

ロケット

令和7年3月27日

今、宇宙ではGPSをはじめとした様々な人工衛星が活躍し、私たちの暮らしを支えています。また宇宙飛行士が国際宇宙ステーションなどに滞在して、宇宙でしかできない実験などを行い研究を進めています。

写真1:H3ロケット5号機 打上げ(VAB屋上) ©JAXA

これらを実現させるために欠かせないものがあります。それは、その人工衛星や宇宙飛行士などをまず宇宙へと『運ぶ』もの―ロケットです。地上と宇宙をつなぐロケットをつくって飛ばすうえで、考えなくてはならないことは何だと思いますか?

宇宙へ行くと耳にするだけで、なんだか特別なもののように思えるかもしれませんが、皆さんが自転車や車、電車などに乗る時のことを思い出してみてください。そのときに気にしていることや必要なものと実はそんなに変わらないのです。

例えば、「ネギを買いにスーパーへ行く」など、何かしらの目的やそれを果たすことのできる行き先が必要です。ロケットでも同じく、「地球の洪水情報を得るために人工衛星を地上から何kmのところで飛ばしたい」などというミッションがあります。

普段皆さんはその行き先へ向かう手段として、自転車や車、電車などを利用し、そこに人や荷物を載せて運びます。宇宙へ向かう場合は、乗り物としてロケットがあり、そこに積み荷をします。この積み荷は「ペイロード」と言って、人工衛星や探査機、はたまた宇宙飛行士などの人を載せた宇宙船を指します。宇宙船も、地球から宇宙に行くためにはロケットに搭載する必要があるのです。
※写真2:ペイロード(金色)がロケットの先端(白いフェアリングの中)に搭載されています。

写真2:「こうのとり」5号機 Ⅲ軸側フェアリング結合時の様子 ©JAXA

ではここからは車を例に考えていきましょう。まず、車はどこから出発しますか?バスであればバス停ですし、タクシーならばタクシー乗り場、個人の車ならパーキングエリアかもしれません。少なからずどこかに駐車されていると思います。駐車場があるわけです。ロケットの場合は発射場に当たります。その周りにも車の整備工場のような施設やガソリンスタンドのように燃料を補給する設備だったり、多くの施設や設備が備わっていて、ロケットの発射を支えています。

ガソリンスタンドについて触れましたが...車が走るためにはガソリン、つまり燃料も必要です。ロケットも同様、燃料がなくては飛ばせません。

そしていざ出発!と言いたいところですが、もしも大雪が積もって道が凍っていたら、台風が上陸していたらどうでしょうか。出かけるのを見送るのではないでしょうか。ロケットも風や落雷の可能性などを見極め、天候判断を何度も行って打上げを行います。

そして忘れてはならないのが安全です。車では出発前に車がきちんと動くか確認する必要がありますし、出発後も道路では信号や速度制限などによって事故が起こらないように考えられています。ロケットも発射前・発射後どちらの段階でも、ミッションが失敗してしまったときに地上にいる人を巻き込まないよう安全に細心の注意を払っているのです。

他にも法令順守・環境配慮など、地上と同じことが宇宙に行くときにも考慮されています。

ロケット、それは人や荷物を地上から宇宙へ届けるもの。でも実は、私たちが普段の暮らしの中で何気なく利用している自転車や車、電車などの乗り物と似た役割を持ち、そのために考えなくてはならないことも似ているのです。宇宙やロケットと聞くと、なんだか遠い世界のことのように思えるかもしれませんが、少しでも身近なものと感じて頂けたなら幸いです。

記事:博物館専門調査員(天文担当)/写真:JAXAデジタルアーカイブスより

※このブログの内容は"FMかつしか「まなびランド」"で令和7年3月19日に放送した内容を編集したものです。博物館専門調査員(情報担当)

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